帝人フロンティア/高防透織・編み物開発/白衣中心に23春夏物から販売

2022年04月21日 (木曜日)

 帝人フロンティアは、高防透性が特徴の織・編み物「CBT」(仮称)を開発した。特殊チタンを高濃度に練り込んだポリエステル新原糸の活用などで、防透け指数98・6(通常ポリエステルは86・5)を実現した。23春夏から白衣用途を中心に提案を始め、23年度に10万メートルの販売を目指す。

 高防透け生地では、1990年代にフルダルのハイマルチ原糸を使った「エムール」を、2012年にフルダルと異型断面糸などを使用して機能を付与した「イクスマック」を発売し、白衣やブラウスをはじめとする用途で展開してきた。CBTは白衣向けの高防透け生地としては10年ぶりの新商品だ。

 特殊チタン練り込みのポリエステルを芯に、鞘部にレギュラーポリエステルを配した新原糸を使う。同社によると「チタンの練り込み量は最大レベル」と言う。この新原糸と従来の異型断面、高捲縮(けんしゅく)によるかさ高構造、生地設計、染色加工技術などを融合して防透け性を高めた。

 防透け指数(目付約200グラムのツイル)は、白衣定番生地の94・1と比べると、新原糸を100%使ったCBTは4・5ポイント高い。安定した需要が見込める白衣に加え、ゴルフやテニスウエア(パンツ中心)などのスポーツ用途や一般衣料でも展開する。生地値は1メートル当たり600~700円。

 23春夏のユニフォーム素材はCBTのほか、快適ストレッチと高通気、環境配慮といった大きなくくりで提案する。この中で高通気シリーズではストレッチと高通気を両立した「AIST」(仮称)や通気度200cc以上の「C2K」(同)を新たに打ち出す。