明石SUC/制服MC過去最高に/生産と物流機能増強

2022年04月08日 (金曜日)

 明石スクールユニフォームカンパニー(SUC)は、今春の入学商戦で制服モデルチェンジ(MC)校の獲得が過去最高となった。性的少数者(LGBTQ)へ配慮する流れで、中学校を中心に進む制服のブレザー化を追い風に獲得数を増やした。増えつつあるMC校に対応するために今月、新たな物流倉庫も完成させる。生産体制も増強しながら2022年12月期に目標とする売上高290億円を目指す。

 前期は、20年に決算月を変更してから実質1年間を通した初の年度となったが、売上高は284億円と過去最高を更新した。今年の入学商戦も引き続き堅調で、MC校の獲得数が伸長。特に中学校のMCが増えた。「地域によっては町ぐるみでブレザーに変わるケースもある」(河合秀文社長)ことから、MCの半分が中学校となった。

 アイテムでは、女子もスラックスを選択できるようになってきたことから女子スラックスが急増している。河合社長は「スカートを準備していてもスラックスに変わることがあり、生産現場は大変になっている」と指摘する。そこで、今期は生産力の強化に注力。「外注工場も予想以上に傷んでいる」として、改めて生産ネットワークの構築を進める。併せて自社工場の生産能力の向上も目指す。

 今月、物流拠点の宇部テクノパークアソートセンター(山口県宇部市)の敷地内に物流施設を新設する。同社の物流拠点の中では最大の広さで、全体の製品保有能力は30%ほど向上する見通しだ。西日本を中心とする学校別制服と全国への体育着の配送拠点として活用。仕上げ、検査後の製品の保管のほか、アソートや2次加工にも対応し、きめ細やかな配送体制を築く。

 縫製の基幹工場、宇部工場の倉庫部分も移設。工場の空いたスペースには検査や仕上げ、裁断スペースを新たに設けるなど、生産力を高める。

 デジタル化も推進。AI(人工知能)を使った採寸の採用校は、昨春の100校から今春は200校に増えた。今期も採用につなげるほか、岡山大学との共同研究で精度向上にも取り組む。