アダストリアの上海法人/独自企画生地の内販へ/「インテキ上海」に初出展

2022年03月18日 (金曜日)

 【上海支局】カジュアルファッションチェーン大手のアダストリアの上海法人、久恩玖貿易〈上海〉が、来月14日に開幕する「インターテキスタイル上海アパレルファブリックス」に初出展し、生地の中国内販を本格化する。グループのブランド向けで実績のある独自企画の生地を販売していく。「ニコアンド」など、内販を展開するブランドとのシナジーを狙う。

 同社は、グループが運営するブランドの製品の生産管理を行っている。「近年は生地の企画・提案にも力を入れ、日本で年に4回、社内展示会を開いている。エンドユーザーの声を反映し、生地のレベルアップを図ってきた」と太田一誠総経理は説明する。

 今回のインターテキスタイル上海では、こうした独自企画の生地を出展する。中空糸使いで軽量化したダブルフェースのウール調ニードルパンチ「ウーリーテック」や、サステイナブルな超長綿とポリエステル長繊維を使ったシルキータッチのブロード「ミューリス」など、6シリーズ75品番をそろえる。

 これらの生地は、それぞれ10万~200万着強の製品になっており、「自信を持ってお勧めできる。品質が安定し、コストパフォーマンスも高い」(太田総経理)と言う。

 今後は、中国市場のニーズを意識した生地も充実させていく。今回展でも一部、ニコアンドの現地企画品で使われる生地を紹介する。

 同社は昨秋から、生地内販の準備を始めた。狙いの一つが、ニコアンドなど中国で展開するブランド事業との相乗効果だ。太田総経理は「生地事業を通じ、中国市場への理解をより深めることで、ブランドの内販拡大にも貢献したい」と抱負を語る。

〈上海に物流子会社/アダストリア〉

 アダストリアは16日、上海市浦東新区に全額出資の物流子会社を設立したと発表した。中国事業の拡大に向けた物流インフラの強化とサプライチェーン(調達・供給網)の効率化を図る。

 子会社の名称は賽愛思国際物流(上海)。資本金は1億円で、今年2月半ばに設けた。主に中国での物流業務を手掛ける。

 アダストリアは2019年末に傘下のブランド「ニコアンド」の中国1号店を上海市に出店。ニコアンドは20~30代の男女向けのブランドで、中国では上海市内で5店展開している。[NNA]