倉敷繊維加工/高機能フィルターを拡充/設備導入で一部加工内製化

2022年03月10日 (木曜日)

 クラボウグループの不織布・製品製造卸である倉敷繊維加工(大阪市中央区)は、自動車向けキャビンフィルターで高機能品のラインアップを拡充する。EV(電気自動車)や高級車で需要が高まった。加工設備も新規導入し、フィルターの成形加工の一部を内製化する。

 同社の今期(2022年3月期)商況は主力の自動車用キャビンフィルターが前半好調に推移した。しかし、後半に入ると世界的な半導体不足による自動車生産台数減少の影響でキャビンフィルターの販売も鈍化した。

 一方、新たな需要も生まれている。有名EVメーカーがポリテトラフルオロエチレン(PTFE)複合の高機能フィルターをキャビンフィルターに採用。この受注獲得で中国子会社の佛山倉敷繊維加工も堅調に推移した。

 こうした動きを受けて、青山髙明社長は「来期(23年3月期)もキャビンフィルターを軸に事業展開する」と話す。PTFE複合だけでなく、高級車を中心に高目付の活性炭複合タイプへの要望も高まった。これを受けて既に1平方メートル当たり600グラムの高目付品の開発に成功した。現在、同千グラムタイプの開発も進む。自家工場にプリーツ加工機も新規導入し、プリーツ加工を一部内製化する。

 クラボウグループは今期が中期経営計画の最終年度であり、倉敷繊維加工も中計最終年度で売上高80億円を計画していた。しかし、新型コロナウイルス禍や原燃料高など想定外の外部要因もあって計画達成は困難になった。このため来期から始まる新中計で売上高80億円に再挑戦する。