豊島/3Dサンプル提供サービス/出資ベンチャーとの協業

2022年03月08日 (火曜日)

 豊島は4月下旬から、出資先のGOOD VIBES ONLY(グッドバイブスオンリー、GVO、東京都目黒区)が構築したアパレル向けDXプラットフォーム「Prock」(プロック)に、自社開発した「3D LIBRARY」(3Dライブラリ)を連携させたサービスを開始する。3次元(3D)サンプルを提供し、アパレル生産の効率化とコスト低減を支援する。GVOとは、3DCGを活用して制作する婦人服ブランドの展開や人工知能(AI)による需要予測サービスにも取り組む。

 豊島は2021年、自社が運営するCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)を通じてGVOの第三者割当増資を引き受けた。

 18年創業のGVOはアパレルを対象に、CGやAIを駆使してサプライチェーンの変革を支援する。自社ブランドも持ち、そこで培った技術や知見を活用してプロックを構築した。

 プロックは一つのプラットフォーム上で、企画した商品の3Dサンプルの制作依頼、進行管理、完成データの受け渡しや修正依頼などの伝達を一括で行うことができる。豊島の3Dライブラリと連携させることで、専用ソフトを使わずに3Dデジタルサンプルによる確認が可能になる。

 豊島はプロックとの連携サービスを皮切りに、GVOとの3D技術活用の協業を推進していく。

 5月には、20代女性向けのブランド「STELLA VIANA」(ステラヴィアナ)を立ち上げ、プロックと連携させた服作りを始める。3DCGを活用したサンプル制作やモデル撮影などを行い、インターネットで直販するD2Cブランドとして展開する。

 22年の後半には、AIを使った需要予測サービスの開始を計画する。デジタルサンプルをSNS(会員制交流サイト)に投稿し、その反応を通じてAIが需要を可視化する。予測を基に必要な量だけ服を生産できるようにすることで、余剰在庫の課題の解決につなげる。