繊維ニュース

環境特集(7)/有力繊維企業/SDGsを追求/ダイワボウレーヨン/伊藤忠商事/V&AJapan/蝶理

2021年12月06日 (月曜日)

〈ダイワボウレーヨン/再生セルロース打ち出す/「エコプロ2021」に出展〉

 ダイワボウレーヨンは、再生セルロース繊維であるレーヨンがサステイナブルな素材であることを一段と打ち出す。そのために12月8~10日に東京ビッグサイトで開催される「エコプロ2021」に大和紡績と協力して出展する。

 エコプロでは、海外のパルプメーカーなどと連携して使用済み綿製品を原料にリサイクルする「リコビス」や、海水中生分解性を確認した「エコロナ」、撥水(はっすい)性を付与することで脱プラスチックに貢献できる「エコリペラス」など環境配慮型レーヨンを提案する。

 適正管理された森林資源を使用していることを示す「FSC認証」、海水中で生分解性を認証する「OK・バイオディグレイダブル・マリーン」、米国農務省が再生可能資源から作られた製品を認証する「バイオベース製品認証」、染色加工などの安全性に関する国際規格「エコテックス規格100」、食品接触の安全性認証「ISEGA」など各種国際的認証を取得していることも紹介する。

 生産工程での環境負荷低減も打ち出す。製造時の副生物である水硫化ソーダは工場内で再利用するほか一部は重金属捕集剤などとして販売している。芒硝(ぼうしょう、硫酸ナトリウム)も入浴剤原料などとして販売する。水硫化ソーダ、芒硝ともにリユース率は100%を達成した。

〈伊藤忠商事/「三方よし資本主義」掲げ/原料起点のバリューチェーン築く〉

 伊藤忠商事は持続可能な社会の実現のため、全てのステークホルダーに貢献する「三方よし資本主義」を掲げ、本業を通じてSDGs(持続可能な開発目標)の達成を目指す。現行の中期経営計画でも、「脱炭素社会を見据えた事業拡大」「循環型ビジネスの主導的展開」「バリューチェーン強靭(きょうじん)化による持続的成長」を打ち出す。

 繊維カンパニーもこの方針に基づき、サステイナブル商材の開発、普及に力を注ぐ。環境配慮の生地や製品を拡販するだけでなく、循環型経済に組み込む手段も提案する。

 「レニュー」は〝繊維から繊維へ〟の循環を実現させる伊藤忠独自の再生ポリエステル。アパレルの生地にとどまらず、服飾資材や雑貨の素材にも用途が広がっている。

 他の素材との組み合わせによる相乗効果の大きさも特徴的。ザ・ライクラ・カンパニーと展開する機能性ポリエステル「クールマックス」の品ぞろえに加えることで、同社のグローバルなサプライチェーンへの展開も可能となる。

 「クウラ」は、世界最大級のパルプメーカーを傘下に持つフィンランドのメッツァ・グループと共同開発したリヨセル繊維。製造工程における特殊溶剤の使用などによる環境負荷の低減に加え、原料となるパルプは木材までのトレーサビリティーを確立している。環境配慮型素材を中心とした原料起点のバリューチェーンを構築するための中核素材に位置付ける。

〈V&AJapan/生分解ポリ日本本格販売/直営店で自社製品も〉

 高機能生地の開発・販売を行うV&AJapan(大阪市西区)は、海外市場で先行展開していた特定堆肥生分解ポリエステル「クラフトエボリーテ」の日本での本格販売を始めた。B2C向けに糸・生地で提案するほか、自社製品を直営店で販売して消費者の認知度向上を図る。

 クラフトエボリーテは、特定の堆肥中で約80℃という温度で加水分解するように設定している。ポリ乳酸などと比べると耐熱性や耐久性に優れ、常温常圧で染まることも特徴の一つだ。一般的なポリエステルの9割程度の強度だが、通常の使用方法であれば問題ないとしている。

 同社がチップを供給して日本と台湾の協力工場で紡糸し、長繊維と短繊維の両方を生産する。フィラメントでは22デシテックスの細繊度糸が製造可能で、紡績糸では10~40番が中心。糸・生地を販売して終わるのではなく、回収・分解まで踏み込む。回収した製品は国内の契約農場のコンポストで分解する。

 自社製品では「タビタリウム」を立ち上げた。Tシャツやトレーナー、シャツ、ポロシャツ、ダウンジャケットなどのアイテムをそろえ、縫い糸も生分解ポリエステルを使用している。東京都と横浜市、京都市にある直営店「マーノ」、ECサイトで販売している。店頭では製品の回収も実施している。

〈蝶理/サプライチェーンを〝青く〟/天然繊維と合繊の融合提案〉

 蝶理は、サプライチェーン全体でサステイナビリティー最適化を目指すためのコンセプト「ブルーチェーン」を掲げる。繊維産業の川上から川下に至る各段階でサステイナビリティーに対応する取り組みを行い、それらを柔軟に掛け合わせていく。

 「半工半商」の方針に基づき、工場と深く関わりながら、事業を展開する強みをサステイナブル施策にも生かす。ブルーチェーンに賛同する国内100社以上と連携し、再生ポリエステル糸「エコブルー」を軸に、糸加工や織り・編み、染色加工など参加企業の技術を組み合わせてサステイナブル商品の展開を広げる。

 廃ペットボトルを再利用していたエコブルーについては、ナイロンにも範囲を広げ、工場で出る繊維くずや廃漁網も活用する。植物由来のナイロン繊維なども取り入れ、シリーズ化を進めていく。

 「ミレニアムオーガニック」は、蝶理が商標登録している非遺伝子組み換えの100%オーガニックコットン糸。合成繊維の象徴的商材である高伸縮機能糸「テックスブリッド」との融合で新しい価値を生み出す。

 6月に蝶理グループに加わったスミテックス・インターナショナルが強みとする綿の提案にも力を注ぐ。サステイナビリティーの取り組みでも、同社とのシナジー効果を発揮していく。