エネオスと共同でプラスチック油化事業/三菱ケミカル

2021年08月06日 (金曜日)

 三菱ケミカル(MCC)、ENEOS(エネオス)はこのほどMCC茨城事業所においてプラスチック油化共同事業の開始を決めた。同事業所に商業ベースでは国内最大規模となる年間2万㌧の処理能力を備えたケミカルリサイクル設備を建設し、2023年度から廃プラスチックの油化の開始を目指す。

 両社は19年、鹿島コンプレックス有限責任事業組合を設立し、茨城県鹿島地区の石油精製、石油化学事業での連携強化の検討を行ってきた。

 その一環として、廃プラ問題が世界的な課題になっていることを踏まえ、プラスチック製造のサプライチェーンに関する事業者として循環型社会形成に貢献することをテーマの一つに掲げ、ケミカルリサイクルの技術検討を進めてきた。共同事業に関する今回の合意はこれらの積み重ねによるもの。

 共同事業では、外部から調達した廃プラを英国ムラ・テクノロジー社の超臨界水技術を導入する新設備を使うことで化学的に液化し油化処理を行う。

 製造されたリサイクル生成油はMCC、エネオス両社の既存設備である石油精製装置、ナフサクラッカーで原料として使用され、石油製品や各種プラスチックへと再製品化されることで高効率なケミカルリサイクルによる循環が実現する。