大和紡績/新型コロナに効果確認/高機能・抗ウイルス加工で

2021年10月12日 (火曜日)

 大和紡績はこのほど、高機能加工「アレルキャッチャー」と抗菌・抗ウイルス加工「クリアフレッシュV」が新型コロナウイルス(SARS―CoV―2)に対しても抗ウイルス効果があることを確認した。

 同社は日本繊維製品品質技術センター(QTEC)でアレルキャッチャー不織布(加工済レーヨン50%・ポリエステル50%混)とクリアフレッシュV編み地(綿100%)を使って抗ウイルス性試験を実施。試験方法は「JIS L1922繊維製品の抗ウイルス性試験方法」を準用した。その結果、繊維上の新型コロナウイルスが99%以上減少することを確認した。

 アレルキャッチャーは信州大学、京都産業大学鳥インフルエンザ研究センター(現・感染症分子研究センター)と共同開発したもの。フタロシアニンを繊維表面に特殊加工することで消臭性、アレル物質吸着性、抗菌防臭性、抗ウイルス性を持たせることができる。一方、クリアフレッシュVは欧州の安全性認証も取得する無機系化合物を繊維表面に特殊加工することで制菌性、抗ウイルス性を持たせた。

 両加工とも皮膚貼布試験、経口毒性試験、変異原性試験、皮膚刺激性試験、皮膚感作性試験など各種安全性試験もクリアしている。クリアフレッシュVは繊維評価技術協議会が認証する「SEK抗ウイルス加工マーク」も取得済み。

 今回、新型コロナに対する抗ウイルス性も確認したことで、両加工に対する信頼性が一段と高まることが期待できる。