三菱ケミカルアドバンスドマテリアルズ/熱可塑性複合材料を開発/遮炎機能と生産性両立

2021年09月30日 (木曜日)

 三菱ケミカルアドバンスドマテリアルズ(東京都中央区)はこのほど遮炎機能と高い生産性、リサイクル性を両立させた熱可塑性複合材料(FRTP)を開発した。

 近年、気候変動対策としてCO2排出削減に向けた取り組みが進められる中、モビリティー分野では電動化の動きが加速しているという。

 EVに代表される電動モビリティーのバッテリーシステムは搭乗者の安全を確保するための高い遮炎性と省エネのための軽量化が求められている。

 従来は難燃機能の付与が比較的容易で軽量化も実現できる熱硬化性複合材が使われてきたが、生産サイクルが長いこと、リサイクル性が低いことが課題となっていた。

 同社はグループが持っている繊維や樹脂、バッテリーシステムに関する技術・ノウハウを結集し、熱可塑性樹脂をベースに繊維や樹脂の組成を工夫することで、強度、剛性、軽さ、加工性などと、リサイクル特性を両立させた複合材料を開発した。

 難燃性能も向上させており、実験では千℃以上の火炎を5分以上、遮炎することを確認している。現在、一部の顧客との間でサンプルワークを進め、バッテリーパック外装などの用途開拓に力を入れている。