田村駒〈上海〉紡織品/「フィルジータ」の内販健闘/着分生地の備蓄で成果

2021年09月16日 (木曜日)

 【上海支局】田村駒〈上海〉紡織品の中国製カットソー生地「フィルジータ」の中国内販が、健闘している。今春から着分生地の備蓄を始めたことが功を奏した。40ゲージの高密度の布帛調など差別化した生地が売れている。

 編み立て・染めの合弁工場や協力工場で生産するフィルジータは、生地内販のメイン商材だ。これまでは生機の備蓄のみだったが、3月に開かれた「インターテキスタイル上海アパレルファブリックス2021春展」出展のタイミングで、染め生地の見本反の備蓄販売を始めた。「目的は着分生地の短納期対応。これが奏功し、着分生地がかなり売れた。バルクオーダーも入っている」と阿部央総経理は話す。

 内販のもう一つの要である日本製トリコットシャツ地「コンフィール」は、大手メンズブランドからワーキングユニフォームなどに顧客が広がった。ただし「今のところ大きな成果は出ていない」(阿部総経理)。ニーズはあるが日本製のため、納期がかかることがボトルネックになっている。そのため、中国生産も検討している。

 内販は、広大な中国でいかに効率よく販売するかが課題の一つだ。そのため、拠点を置く上海周辺の華東地区や遼寧省大連で直販を展開しながら、他地域ではエージェントを活用する方針を採る。商材の拡充にも取り組み、さらなる拡大を図っていく。