「ITMAアジア」の日系メーカー出展者/自動化や省エネを訴求/好調な中国内販の深耕へ

2021年06月16日 (水曜日)

 【上海支局】今日16日まで上海市内で開催している国際繊維機械見本市「ITMAアジア+CITME2020」の紡機、合繊製造設備、織機、編み機の日系メーカー出展者は、自動化や省エネなどの提案に余念がない。各社の中国内販は好調に推移しているところが多く、今回展を機にさらなる深耕を図る。

 村田機械は、渦流精紡機「ボルテックス870EX」や自動ワインダー「プロセスコーナーⅡ」シリーズの最新機を並べた。実機のデモンストレーションには毎回、黒山の人だかりができている。自動ワインダーは、糸切り装置などの機能を省いたシンプルなタイプを初公開し、注目を集めている。

 TMTマシナリーは、仮撚機と合繊紡糸巻取システムの実機を展示した。目玉の一つである「ATF―1500N/V―SZ」は、太繊度糸を生産する省エネタイプの延伸仮撚機だ。ポリエステル長繊維によるカーペット用途パイル糸をはじめ、産業資材分野をターゲットにする。

 福原産業貿易は、シングルニット機とベッドマットレス用丸編み機の2本立てを実機でアピールしている。ベーシックな天竺を編むシングル機は、従来機と内部構造を全面的に変え、高速回転(1分間に45回)と優れた省エネ効果を両立。シングル機はここ数年、国産メーカーの追い上げにさらされてきたが、同機により再び攻勢をかける。マットレス向けは、この5年中国でも成果を上げている。

 豊田自動織機は映像とパネルで、エアジェット(AJ)織機とウオータージェット(WJ)織機の最新鋭機を紹介。産業資材用途はガラス繊維向けが伸びている。衣料品向けは昨年新型コロナ禍の影響を受けたが、後半から徐々に回復している。

 津田駒工業は、平均10%の水消費量の削減を実現し、排水へのグリス混入を70%削減したWJ織機「ZW8200」を、映像とパネルでアピールする。エアーバッグ向けの導入が増えている。

 島精機製作所は、ホールガーメント横編み機「MACH2XS」シリーズの実機と、ニット製衣類の3Dデザインシステムなどの最新ソリューションを訴求。生産効率を大幅に高めたWG横編み機の試作機も紹介している。

 「ITMAアジア2022」開催日が22年11月20~24日に決定した。会場は今回展と同様で国家会展中心〈上海〉。