三菱ケミカル アクリル樹脂/ケミカルリサイクルの実証試験/マイクロ波化学・ホンダと連携

2021年05月27日 (木曜日)

 三菱ケミカルと連結子会社の三菱ケミカルメタクリレーツ(東京都千代田区)はポリメチルメタクリレート(以下アクリル樹脂)をケミカルリサイクルする事業に乗り出していくため6月、国内に実証設備を建設し事業化に向けた実証試験をスタートさせる。

 アクリル樹脂は透明性、耐光性を持つプラスチック製品。自動車のランプカバー、看板、水族館の水槽、塗料、建材などに幅広く使われており、グローバルな需要は300万トンを超えているという。

 両社はかねてアクリル樹脂のリサイクルに向けた検討を行ってきており、欧州においては近いうちに現行のリサイクル技術を導入したアクリル樹脂リサイクル設備の建設を決定する見通しとなっている。

 国内では、パートナーであるマイクロ波化学(大阪府吹田市)と協力し、6月完成をめどに同社の大阪事業所内に実証設備を建設することにした。

 欧州と日本でその地域特性に合わせたアプローチを進め、24年の稼働をにらみアクリル樹脂のリサイクルプラント建設を検討する。

 アクリル樹脂製造工場から出る廃材に限らず、将来は広く市場から廃材を回収することを視野に入れている。

 廃車からのテールランプといったアクリル樹脂の回収、そのケミカルリサイクル及び再利用にも意欲を示しており、本田技研工業(東京都港区)とともにスキームを検討し、今回の実証設備による実証試験を共同で行っていく。