三菱ケミカル/宇宙開発ベンチャーと契約/月面探査車の部材提供で

2021年04月16日 (金曜日)

 三菱ケミカルは民間企業としては世界初となる月面探査の実現を目指すロボット・宇宙開発ベンチャーのダイモン(東京都大田区)と炭素繊維強化プラスチック(CFRP)部材、熱可塑性樹脂材料の提供や技術支援を内容とするパートナーシップ契約をこのほど締結した。2021年秋に打ち上げ予定の月面探査車の関連部品に三菱ケミカルのCFRP部材が搭載される。

 宇宙分野で使用される機器は打ち上げや宇宙空間といった過酷な環境での使用に耐える強度、剛性、耐熱性が求められるだけでなく、1㌔当たり1億円ともいわれる月面への輸送コスト低減のため部材の軽量化が大きな課題になる。これまでは主にアルミ素材が使われてきたが、強度と軽さを兼ね備えるCFRPの普及が期待されている。

 三菱ケミカルは既に人工衛星などでCFRP部材の採用実績を持っており、ダイモンとの提携を通じ宇宙空間や月面での使用実績を積み重ね、製品の開発、月面基地部材などでの用途開発を加速する。