三菱ケミカル「ソアロン」/対中輸出を伸ばす/サテンの光沢感を打ち出す

2021年04月07日 (水曜日)

 三菱ケミカルは中国市場をターゲットにトリアセテート「ソアロン」のテキスタイル輸出に力を入れている。3月17日~19日開催の「インターテキスタイル上海アパレルファブリックス2021春」に出展。主力の婦人服地に加えて、スポーツや寝装向けに開発したプロモート素材群を打ち出した。

 22春夏では「光沢を求めるトレンドが継続する」と見通しており、同展では光沢を強調したサテンのバリエーションをイチ押し企画として出展したほか、麻調の表面感を持たせた素材群を充実させた。

 22春夏向けには、ソアロンの細繊度糸で透け感を強調した新素材(ブランド名は未定)、再生ポリエステルを複合した極薄の新素材(同)も用意する。ソアロン、再生ポリエステルを配列で複合し、薄さを際立たせた。

 同社のブースでは、来場したスポーツウエアやホームウエアの顧客がソアロンをピックアップしたといい、スポーツとファッションとの狭間の領域や寝装関連で新規販路の掘り起こしにも取り組んでいる。

 既に、ソアロン織物でフライトジャケット「MA―1」のようなアイテムが商品化され、中国では21春夏店頭に並んだという。欧米でもソアロンのサテンがMA―1のようなアイテムに採用されている。

 この間、同社は婦人服地を主力に打ち出し、ソアロンの対中輸出拡大を維持してきたが、20年度は新型コロナウイルス禍の影響で伸び悩みに転じた。21年度はネット通販や準1級都市で新規顧客の開拓を強化するとともに、スポーツウエアやホームウエアなどへも用途を広げ、「19年度並みの販売量へと回復させたい」との意欲を示している。