三菱ケミカル 21秋冬「ボンネル」/インナー・肌着に期待/中国内需開拓は順調

2021年04月05日 (月曜日)

 三菱ケミカルは衣料用に展開するアクリル「ボンネル」で、21秋冬では新型コロナウイルス禍の影響が残る国内販売の苦戦が続くとみているものの、対中輸出を伸ばしボンネルトータルでは「前年を上回る販売量を確保したい」(繊維事業部戦略ビジネスグループ久保田裕之マネジャー)考えだ。

 20秋冬の衣料商戦では、上半期に新型コロナ禍で大苦戦を強いられたものの、下半期に入り「コロナ前には戻っていないが、徐々に回復してきた」という。

 特に、2年続きの暖冬で前年割れが続いたインナー・肌着向けの販売が、20秋冬が前年よりも寒かったため他の用途に比べ相対的に堅調だった。

 21秋冬に向けては、インナー・肌着での商談が先行しており、1デシテックスのマイクロファイバー「ミヤビ」をさらに極細化した「ミヤビ06」を打ち出し、レーヨン混、綿混中心の拡販を計画する。インナー以外の商談は遅れ気味と言う。

 同社は19秋冬向けのインターテキスタイル上海と併催された「PHバリュー」にミヤビや導電・光吸収発熱アクリル「コアブリッド」を出展し中国での内需開拓を本格化させていた。

 ネット通販大手との取り組みを実現。共同で開発した素材「セルウォーム」を打ち出し、高級婦人肌着ブランド、大手保温肌着ブランドなど4社7ブランドとの取り組みを実現した。

 20秋冬では、新型コロナ禍に見舞われ日本からの出張ができなかったものの、現地スタッフが顧客フォローを徹底し「順調に商談を進められた」と話す。

 21秋冬に向けても、肌着中心のモノ作り、企画提案に取り組んでおり、セルウォームの採用社数は10社前後に増える見通しとなった。秋に開催予定のインターテキスタイル上海に出展し、引き続き新規販路開拓を進める。