インターテキスタイル上海の合繊メーカー系出展者/独自素材ブランドを訴求/「例年以上の成果」の声も

2021年03月23日 (火曜日)

 19日閉幕した「インターテキスタイル上海アパレルファブリックス2021春」の合繊メーカー系の日系出展者は、差別化した原糸を使った独自の生地ブランドを訴求した。「ターゲットにしている多数のブランドと商談できた。例年以上の成果(東レグループ関係者)などの声が聞かれた。

 東レグループで、長繊維テキスタイルの製造販売を手掛ける東麗酒伊織染〈南通〉(TSD)は、バイメタル構造原糸によるしなやかなストレッチ性を持つ高機能生地「プライム フレックス」をアピールした。今回展を機に、TSDが生産するバイメタル構造原糸を使ったストレッチ生地もプライム フレックスとして展開していく。合繊長繊維メーカーの東麗合成繊維〈南通〉と連携し、開発した従来よりも風合いの良いプライム フレックスのパンツ地などをアピールした。

 旭化成アドバンスの子会社、旭化成国際貿易〈上海〉は、現地コンバーターが生産するキュプラ繊維「ベンベルグ」を使ったアウター地のほか、原糸にベンベルグやポリウレタン弾性繊維「ロイカ」などを使用したサステイナブル素材の基幹ブランド「エコセンサー」を打ち出した。ベンベルグの糸の内販はアウター、インナー、裏地用途ともに昨秋以降、回復している。今回展のブースも多くの来場者でにぎわった。

 帝人フロンティアグループで、ポリエステル長繊維の製織、染色加工を主力に手掛ける南通帝人は、ポリトリメチレン・テレフタレート(PTT)繊維「ソロテックス」などを使った織物と編み物を訴求した。内販は新型コロナ禍の打撃が尾を引いているが、同社ブースには昨秋展を超える多くの来場者が集まった。

 三菱ケミカルは、中国でブームが続いているトリアセテート繊維「ソアロン」を使った生地をアピール。中国でもストリートファッションブランドなどのメンズで採用が進む、スポーツとエレガンスを融合させた生地や、麻調、ウール調生地などを紹介した。