エイガールズ/欧州向けの販売が2倍に/中国の拡大にも注力

2021年01月22日 (金曜日)

 丸編み地製造卸のエイガールズ(和歌山市)が欧州市場での販売を伸ばしている。ラグジュアリーブランドが順調な動きを見せ、昨年は2019年と比べて金額で約2倍になった。21年は欧州での販売を着実に伸ばすとともに、中国向けの拡大にも力を入れる。新型コロナウイルス禍が続く中、デジタルツールなどを活用して商談を行う。

 海外向けは米国を主力としながらも、フランス・パリの服地見本市「プルミエール・ヴィジョン」に出展するなど、欧州市場への発信を続けてきた。新型コロナ禍は世界の衣料品市場に大きな影響を与えているが、欧州ラグジュアリーブランドは底堅い動きを示しているとされ、同社も昨年は多くの受注を獲得した。

 欧州向けが増えたことについて山下智広社長は「ロックダウン(都市封鎖)の影響でイタリアやスペインの繊維工場の稼働が止まり、日本企業に目が向けられた。納期や品質などの要求に応えられたことも大きい」と分析。同社の販売に関して「新型コロナ禍によるマイナスの影響はない」と話す。

 今年も着実な成長を目指す。2月のプルミエール・ヴィジョンのリアル展は中止になったが、パリで12~14日に開催された生地展示会「プレコ パリ」に初出展した。ラグジュアリーブランドを中心に商談が進んだことから、「21年の販売にも手応えは感じている」と期待感を示した。

 欧州に加えて、中国向けの拡大を図る。信頼のおける顧客との取引を増やすが、エージェントを介してのビジネスには限界があるとして中国人スタッフを昨年採用。1年間の教育を経て今年から営業を担当させる。今月末にオンラインミーティングツール「ズーム」を使った商談会を開く。

 3月10~12日に中国・上海で開催される「インターテキスタイル上海」への出展も検討している。メインの米国と欧州、中国を合わせた海外での販売は、10億円を将来の目標としている。

 日本市場では展示会を充実する。これまで年2回開いてきたが、市場の変化に対して細かなケアができるよう4回に増やす。2月24日~3月12日の第1回を皮切りに、5月中旬、7月中旬、11月中旬の開催を予定。会場は昨年に改装した東京オフィスショールーム(東京都墨田区)を使う。