三菱ケミカル 21秋冬婦人服地/「ソアロン」サテンを充実/サステ度示す基準を導入

2020年11月05日 (木曜日)

 三菱ケミカルは21秋冬の婦人服について、外出自粛や在宅勤務の浸透に伴い家の中で過ごすカジュアルな服装へのニーズが根強く残る一方、「フェミニン化への流れも強まる」(繊維事業部・長野真テキスタイルグループマネジャー)とみている。このため、トリアセテート「ソアロン」によるサテンの品ぞろえを充実させるとともに、スーツやセットアップ狙いの梳毛調の商品群を重点的に投入する。サステイナブルな特性の打ち出しも改めて強める。

 ソアロンのサステイナブルな物性を市場に浸透させるため、このほど「ソアグリーン・プログラム」を導入した。生地を作るあらゆる工程における環境負荷を特定し、社内規格により定量化。3段階で各素材が持つサステイナブル度を示す指標として顧客に提示する。

 ソアロン100%の「ソアロンTIS」を拡充。サテンを増やすとともに光沢やドレープを意識した企画を多数、揃える。19秋冬から“ネオ・ウール”として打ち出した生地が引き続き好調なため、梳毛調の高質感を強調したスーツ狙いの中肉織物の幅出しにも力を入れる。

 フェミニンな素材感が浮上するに伴い数年前にヒットした有毛調のニットが浮上するとも見ており、ソアロンによるベロア、ベルベットの販促にも力を入れる。

 例年行っていた婦人服地展を新型コロナウイルス禍の影響で今年は開けなかったため、海外ユーザー向けウェブ展を9月25日から開催。11月に国内ユーザー向けのウェブ展開催も計画する。