「インターテキスタイル上海20」レビュー(前)/日系ブースは終日盛況

2020年09月29日 (火曜日)

 服地と副資材の国際展示会「インターテキスタイル上海アパレルファブリックス2020秋」が23~25日、中国・上海の国家会展センター〈上海〉で開かれた。新型コロナウイルス禍で3月に予定されていた春展が中止になっており、1年ぶりの開催となった。

 出展者数は、20カ国・地域の約3400社で、昨年秋展(33カ国・地域の約4400社)を大幅に下回った。新型コロナ感染防止対策で中国が海外からの入国を規制していることが影響し、海外出展者が大幅に減った。海外からの来場者も、中国に長期滞在している外国人以外はなかった。

 中国国内では、新型コロナが抑えられており、大型展示会も各都市で再開している。今回展は、来場者に入場の際、身分証(外国人はパスポート)と感染リスクが高い地域を訪れていないことを証明するQRコード(健康コード)の提示と、マスクの着用を求めたが、それ以外は通常の展示会とほぼ同じだった。

 全体の来場者数は現時点では発表されていないが、昨年秋展を下回ったか、同水準のように見受けられた。一方、日系出展者のブースは初日、2日目とも来場者数が昨年秋展を上回るところが多かった。春展が中止になった反動があるようだ。

 日系出展者の数が昨年秋展の半分以下になったことで、日系出展者を目的とする来場者が分散せず、それぞれのブースに集まる来場者が増えた可能性もある。いずれにしても、中国の繊維関係者の日系企業への期待の高さを改めて示した形だ。

 日系企業を集めた「ファイン・ジャパン」には13社が出展。新型コロナ禍の後、勢いを増すネット通販ブランドを意識し、日本や中国製の備蓄品を生かした小ロット・短納期サービスを訴求するところが多かった。中国でもスポーツブランドを中心に注目されつつある、サステイナブル素材を打ち出すところも目立った。

(上海支局)