東麗酒伊織染〈南通〉/特殊加工の差別化生地訴求/インテキに合わせ上海で個展

2020年09月28日 (月曜日)

 【上海支局】東レグループで、長繊維テキスタイルの製造販売を手掛ける東麗酒伊織染〈南通〉(略称TSD)は24、25日、上海市内の高級ホテル「ザ・ペニンシュラ上海」で2021秋冬展を開いた。スポーツ、アウトドア、ファッションの地場ブランドを中心に約130社が来場。特殊加工の差別化した高感度生地を、製品とセットで提案した。同時期に開かれた「インターテキスタイル上海アパレルファブリックス2020秋」の前後に、足を運んだ来場者が多かった。

 今回のコンセプトは、原点回帰を意味する「遡」。「2期連続の暖冬に新型コロナウイルス禍が重なり、顧客の多くが悩んでいる。こうした中、縫製品の重要な差別化要素である原糸・生地にもう一度立ち返ろうというメッセージを込めた」と山田浩副総経理は話す。

 特に好評だったのが、特殊な後加工を施した差別化生地だ。熱圧着で仕上げた無縫製のダウンウエアとして提案した。ナイロン使いの織物にブラッシング起毛やシワ加工、プリントを施したもので、機能性だけでなく、高いファッション性を求める顧客のニーズを意識している。欧州ブランド向けに展開してきたが、中国内販での提案を強めていく。

 このほか、ナイロンの差別化原糸を使った高級感のある天然調生地や、販売を順調に伸ばすニット製生地、イタリアブランド向けで実績を積むODMのコーナーなども注目されていた。

 同社はこれまで、インターテキスタイル上海に出展してきたが、今年は新型コロナウイルス禍のため、個展に切り替えた。7月には21春夏展を同会場で開き、約80社を集めた。

 上海以外の都市では、従来から個展を開いている。10月に北京、11月に福建省のアモイでの開催を予定している。