アトリエミネエダ/ネットで海外に積極発信/新モチーフ創案にも注力

2020年09月03日 (木曜日)

 テキスタイルデザインのアトリエミネエダ(京都市)は新型コロナウイルス禍で海外出展が大きく制約される現状に対応して、ネット発信を強化する。既設の会員制交流サイト(SNS)での積極発信に加え、6月にデザイン原画を常時数百点掲載する会員限定サイトを設置。併せて新たなデザインモチーフ創案にも力を入れる。

 同社はドイツの「ハイムテキスタイル」展、中国の「インターテキスタイル上海ホームテキスタイル」展などでのインテリア向けデザイン原画販売を主軸に年間10以上の海外出展をこなしてきた。近年は「インターテキスタイル上海アパレルファブリックス」や「プルミエール・ヴィジョン・デザインズ」出展でアパレル開拓にも取り組み、海外売上比率は9割を占める。

 原画をネット掲載すると模倣される危険があるほか、展示会では1社が原画を多数購入する傾向が強い一方で、ネット販売では必要最低限の枚数しか購入しないなど購買傾向も異なる。「海外展での対面提案の方が意外な分野・地域からの引き合いも含め、奥行きのある商談が望めるが、新型コロナ禍の収束が見通せない中、対策を打たないわけにはいかない」と峯枝明良プレジデント。SNS経由の地域を超えた瞬間的な評判の広がりなどネット販売での利点も認識。「海外出展再開までに新常態に合わせた販売方法を模索する。」

 フルイドアートに想を得た新たなモチーフ創案にも力を入れる。「花柄デザインは海外客も定着して、当社の大黒柱といえる存在だが、現在の時間的余裕を逆手に取って、“遊び心”を入れたアパレルにも向く新シリーズを作りたい」と意気込む。