卓Edge/伝統工芸生かしたモノ作り提案/初出展のインターテキスタイル上海で

2020年09月01日 (火曜日)

 織物企画販売の卓Edge(名古屋市中区)は海外に向けて日本の伝統工芸やモノ作りを取り入れた生地の提案に力を入れている。9月下旬に中国で開催する展示会「インターテキスタイル上海アパレルファブリクス」に初出展し中国の開拓を進める。

 同社は2018年の創業で尾州の織布企業などで長年企画や営業に携わった柴田秀信・代表社員が立ち上げた。伝統と先進性を組み合わせたモノ作りが特徴で尾州産地や北陸産地のほか、伝統工芸の有松絞りを生かした多彩な生地をそろえる。

 海外向けが100%で米国やフランスのハイエンドゾーンを中心に販売する。今回の出展は中国の生地メーカーと共同してモノ作りを始めたことがきっかけ。欧米だけでなく巨大な市場である中国の販路開拓を狙う。

 同展ではリサイクルナイロン100%の生地に有松絞りのほか、着物に使われる染色技術の墨流しを活用し、独創的な色柄を表現した生地を出品する。糸に有松絞りの技術を応用した綿・ウール混の2重織も提案する。

 伝統技術を活用するのは柴田代表社員の思いからだ。「国内の伝統工芸は職人の高齢化や減少から持続性がなくなりつつある。自分が発信することで伝統工芸をビジネスとしてサステイナブル化したい」と強調する。

 ほかにも、ウールと天然繊維を複合した尾州素材に加えて、中国メーカーとの共同のモノ作りではコーデュロイを訴求する。