チャイナナウ/朝日ファスナー 上海連絡事務所 呉永豊 所長 馮丹英 氏/サービス向上で販売拡大

2020年08月25日 (火曜日)

 ビンテージ風ファスナー「ウォルディス」で知られるファスナー製造の朝日ファスナーは、昨年10月に上海連絡事務所を設け、中国販売を強化した。サービス向上と納期短縮により、地場の縫製工場向けの販売拡大を図っている。呉永豊所長と馮丹英氏に、事務所開設の背景や、今後の展望を聞いた。(上海支局)

  ――呉所長は、日本向けの縫製と生地を手掛ける上海沁富紡績品の総経理でもあります。朝日ファスナーの上海連絡事務所に関わるようになった経緯は。

 呉所長(以下敬称略) 昨年9月に開かれた「インターテキスタイル上海アパレルファブリックス」の朝日ファスナーのブースを訪れた際、福本毅社長から連絡事務所開設の相談を受けました。社長の人柄に引かれ、新規事業として面白そうだと思い、引き受けることにしました。

 馮氏(同右、同)展示会の後、すぐに日本本社で研修を受け、1カ月後に事務所を開きました。従来は国際郵便を使って代理商などの中国の顧客に販売していましたが、言葉の壁などでコミュニケーションが上手く行かず、トラブルもあったようです。納期も1カ月かかっていました。事務所開設後に物流を見直し、納期は20日に短縮。日本語ができる私が連絡係を務め、本社と顧客のコミュニケーションも円滑になりました。

  ――これまでの販売状況は。

 馮 アーミー風ファッションのロシア系ブランドなどに「ウォルディス」を販売しました。新型コロナウイルス禍で一時は注文が途絶えましたが、ここ数カ月サンプル注文が入るようになりました。これから中国国内と海外のアーミー風ファッションや、レザーブランドの製品を生産する工場に売り込んでいきます。

 呉 今後も縫製・生地と朝日ファスナーの2本柱でやっていきます。本業の縫製事業は、今年3月に上海市松江地区に30人規模の工場を設けました。日本向けに特化し、規模拡大は追求せず、高品質の縫製を手掛ける短納期・小ロット対応型の工場を目指します。