東京大学と三菱ケミカル/循環型経済実現で連携/資源循環などを共同研究

2020年08月12日 (水曜日)

 東京大学と三菱ケミカルは、サーキュラーエコノミー(循環型経済)の実現に向けた取り組みを協働で進める。東京大学の未来ビジョン研究センターが開設したグローバル・コモンズ・センター(CGC)の活動に対して三菱ケミカルが寄付するほか、資源循環などについて共同研究を行う。

 グローバル・コモンズは人類の持続的発展の共通基盤である地球環境システムのことを指す。CGCは社会・経済システムの根本的転換のモデルと道筋を科学的に示すことを目標とし、企業などと連携しながら転換の具体的なありさまと実現経路を研究する。

 三菱ケミカルは、三菱ケミカルホールディングスグループが掲げる「KAITEKI」というビジョンの下、持続可能な社会の実現への貢献に取り組んでいる。今年4月1日付でサーキュラーエコノミー推進部を設置。取引先やアカデミアなどとの連携にも積極的だ。

 同社は、豊かで持続可能な社会を目指し、その基盤である安定した地球環境を保全するというCGCのミッションに賛同した。両者はCGCの活動の一環として、資源の循環・有効活用が社会に幅広い素材を提供する化学産業のビジネスモデルの在り方を協議する。

 三菱ケミカルの和賀昌之社長は、共同研究の中身はこれから詰めるとした上で、「われわれは民間企業であり、サーキュラーエコノミーをビジネスにつなげることが課題の一つになる」と語った。