ユニチカ 「WINSEP NF」/NEDOが採用/耐溶剤性分離膜プロセスの開発が

2020年07月16日 (木曜日)

 ユニチカと長瀬産業(東京都中央区)が共同で提案した「有機溶剤回収の省エネルギー化を目指した耐溶剤性分離膜プロセスの開発」が、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の2020年度戦略的省エネルギー技術革新プログラム/実用化開発の助成事業に採択された。

 化学工業で有機溶剤の分離・濃縮に多用される蒸留法はエネルギー消費の大きいプロセスで、蒸留に由来するCO2排出量は国内では化学産業全体の排出量の40%、日本の排出量の約4%を占めているという。

 蒸留に必要なエネルギーを低減するため、熱交換機を用いて熱回収する方法などが取られているものの、抜本的な解決には至っていないという。

 膜分離法は蒸留法に比べ100分の1~千分の1といった大幅な省エネルギーが可能であるが、有機溶剤分離に使える膜がこれまではなかった。

 ユニチカは耐溶剤性に優れるナイロンに着目し開発を進めてきた結果、幅広い有機溶剤に耐性を持つナイロン中空糸ナノろ過膜「WINSEP NF」を開発。

 神戸大学と取り組む「有機溶剤回収の省エネルギー化を目指した耐溶剤性分離膜プロセスの開発」がNEDOの助成事業に採択された。

 今年7月から23年2月までの期間、長瀬産業、神戸大学と共にさまざまな分野での実用化に向けた研究開発に取り組む。