香港貿易発展局がコロナ危機で対応策/商品調達、出展で支援/オンライン展示会に需要

2020年04月22日 (水曜日)

 香港貿易発展局(HKTDC)は、ファッション製品の調達環境が激変した対応策として、B2B向けオンライン展示会を実施している。同発展局が運営するB2B向け電子商取引(EC)プラットフォーム「HKTDCドットコム・ソーシング」の活用を促し、オンライン経由で世界各国のサプライヤーにアプローチできる強みを訴求している。

 現在、新型コロナウイルスの感染拡大で世界中のバイヤーが従来通りの仕入れができない現状から、課題解決として同プラットフォームを提案。大規模な国際見本市を数多く開催する香港も影響を受け、展示会の延期・中止が相次いでいる。

 同発展局では「商品調達に加え、香港の展示会に参加する予定だった日本企業にも、このプラットフォームを紹介している」と話す。オンライン展示会に出展を予定する企業には、検索エンジンの最適化やオムニチャネル、受注に当たっての注意点を周知する実践セミナーを行っている。

 HKTDCドットコム・ソーシングは、衣料品や服飾雑貨をはじめ、ジュエリー、靴、スポーツ関連といったアイテムを取り扱う。自動車部品や電化製品、家具、建築資材などの品ぞろえにも定評があり、その利便性から国際的なウェブサイト賞を多数受賞している。

 香港のリアル・デジタル展示会で市場開拓を行う企業には「O2O(オンライン・トゥー・オフライン)パッケージ」を用意し、香港政府の特別補助金制度に申請できるようにした。同制度は1年間有効。同発展局が期間内に主催する展示会および国際会議で1万香港ドル(約14万円)を上限に、出展費・参加費の50%が免除される。

 既に4月1日からオンライン展示会「スプリング・バーチャル・エキスポ」を実施(30日まで開催)。4月は例年、商品調達のピークとなることから、リアル展示会の代替として活用するバイヤーが増えている。夏季には9つのリアル展示会と同時期にオンラインの「サマー・ソーシング・ウイーク」を開催し、バイヤーの調達需要に応える。

 今回のコロナ危機を受け、国際見本市連盟は2020年4~6月期における展示会の延期・中止により、機会損失額が世界中で1340億¥文字(G0-ACAC)(約15兆8800億円)規模に上ると推計。さらに日本展示会協会によると、東京五輪・パラリンピックの延期で当初20年10月以降に東京ビッグサイト(東京都江東区)で実施するイベントに出展予定だった中小企業など約5万社に影響がおよび、機会損失額は約2兆1千億円に達するとの試算を出している。