アパレル21春夏選定に苦慮/「インテキ上海」無期延期に/出展者は困惑、手詰まり

2020年02月05日 (水曜日)

 中国・上海の「インターテキスタイル上海アパレルファブリックス」(3月11~13日)の開催が無期延期となった。日本からはジャパン・パビリオンに24社・団体が出展を予定しており、新型肺炎感染防止のためとはいえ、商談中止の影響が出そう。同展で21春夏の素材選定を予定したアパレルは「中国素材をどう手当てするか、再検討がいる」と話している。

 昨年春のインターテキスタイル上海は来場者が前年比15%増の約9万5千人に達した。他の国際テキスタイル展示会の来場者が減少している傾向と逆。景気動向とは別に、世界のバイヤーが春夏物の調達の場として同展をスケジュール化していることを示している。

 今回も日本ファッション・ウィーク推進機構が主催するジャパン・パビリオンには昨年の21社から24社に出展者が増加しており、大手アパレル苦戦の中で、新興アパレルやデザイナーズブランド、ネット通販業者とのビジネスにも期待を寄せていた。

 出展予定だった田村駒は「無期がいつまでか。混乱が長引くようなら大変。上海の現地法人も10日まで自宅待機で様子が分からない。10日まで待つしかない」と静観する。宇仁繊維は「困った。飛行機もホテルも予約していた。3月末にアパレル展のモード上海があり、そこへの出展も検討できるが、それも延期となるかもしれない」と、今後の対応に苦慮する。

 アパレルも困惑する。ルックの「コレット」担当者は「20秋冬までの生地は目星がついているが、21春夏はインターテキスタイル上海で探す予定をしていた」と言う。目先では新型肺炎の影響で、「中国の協力工場は10日以降でないと、稼働しない。どんな状態かの情報もなく、納期遅れになりそうならエアを飛ばすしかない」と覚悟を決める。他のアパレルに聞いても、「3月入荷に影響が出そうだが、情報が入らず、今は10日を待つしかない」とあきらめ顔である。

〈新型肺炎で展示会の延期相次ぐ〉

 【上海支局】上海で3月11~13日に開催される予定だった服地と副資材の国際展示会「インターテキスタイル上海アパレルファブリックス」と、糸の展示会「ヤーンエキスポ」、リビング関連展「インターテキスタイル上海ホームテキスタイル」、ニット・OEM展「PHバリュー」、アパレル展「CHIC」の5展示会は、新型コロナウイルスによる肺炎の感染が拡大していることを受け、無期延期になる。主催者が3日、発表した。