東洋紡STC 繊維事業総括部/下半期からの回復目指す/別注・アスレ用ニット伸ばす

2019年12月25日 (水曜日)

 東洋紡STCの繊維事業総括部は2019年度上半期、中東輸出の低迷に伴い自家工場で発生させた操業差損の影響で苦戦を強いられたものの、下半期以降、中東輸出の回復や別注ユニフォーム、スポーツ向けニットの拡販などを通じ業績回復を目指す。

 同総括部は上半期、スポーツ、ユニフォーム、で堅調を維持したものの中東向けの低迷が続き、全体としては苦戦した。

 しかし、中東向けが底を脱し自家工場がフル操業に転換していることによる収益改善を見込んでいるほか、ユニフォームでは、企業別注で獲得していた大型案件向けのデリバリーが下期業績に寄与してくる。アスレやゴルフシャツ、ビジネスウエア向けニットの販売も伸ばせると見ており、下半期からの業績回復を計画する。

 ユニフォームでは現在、20年度の別注案件に向けたワークを進めており、新たに開発した再生ポリエステル「エコールクラブ・バイオ」のようなエコ素材を重点的に投入し拡販を目指す。

 スポーツでは、ダウンウエア向けに展開する軽量極薄織物「シルファイン」の販促を強化。7デシテックス、10デシテックスによる織物のスペック確立を急いでおり、両素材による海外大手ブランドとの取り組みを21秋冬からスタートさせたい考えだ。

 メンズビジネス・カジュアル向けに展開してきた薄地のポリエステルニット「Zシャツ」や「Eシャツ」にこのほど中肉の「クォーターフェイス」を加え商品ラインを拡充。独特の表面感やスポーツ素材ならではの高機能を打ち出し、ジャケットやパンツでの浸透を目指す。

 インナーでは、インターテキスタイル上海などへの継続出展を通じ内需開拓を進めるとともに、現地協力工場に技術指導しインナー・肌着素材の生産体制構築に取り組んできた。中国ユーザーとは暖か肌着系のアイテムでの商談が最終局面を迎えており、20秋冬から現地生産する丸編みの販売を立ち上げたいと言う。