朝日ファスナー/中国への開拓進める/こだわりのファスナー訴求

2019年12月13日 (金曜日)

 ファスナー製造の朝日ファスナー(三重県名張市)は中国への販売に力を入れる。今年中国で開催の展示会に初めて出展したほか、上海に事務所も設置した。デザイン性が高くモノ作りにこだわった自社ブランドの提案を進める。

 同社は日本と台湾でファスナーを製造しており、日本国内の自社工場では付加価値の高い金属ファスナーを生産している。その一つが同社の看板商品で米国のファスナーを復刻した自社ブランド「ウォルディス」だ。

 ウォルディスは1930年代、米国で実在していた歴史あるジッパーブランド。フリーになっていたブランドの商標権を同社が得てビンテージジッパーとして復刻。当時の製法と規格を忠実に再現しデザイン性にも優れる。

 99年に展示会で初披露して以降、中小のメンズアパレルなどこだわりを持った顧客から根強い支持を得ている。福本毅社長は「ウォルディスは一手間かけ、ファスナーの原点にこだわって作っている」と語る。

 デザインや再現性、メード・イン・ジャパンのモノ作りなどから中国でも高い人気を誇る。今年9月に開催した「インターテキスタイル上海」に初出展し来場者から注目を集めた。上海事務所も設置しており、「来年に向けての基礎固めができた」と、中国市場の開拓を狙う。

 同社は53年大阪府で創業し、輸出中心に金属ファスナーの製造販売を始め、55年に現在地に工場を移転。80年代に入ると海外生産に着手し、その後は日本国内にある自社工場の生産体制強化も図りつつ、展開商品や販売網の拡大を進めている。