東洋紡STC 20秋冬インナー素材/中国内需を開拓/「サイプス」をシャツ・ボトムに

2019年12月06日 (金曜日)

 東洋紡STCは20秋冬向けのインナー素材で、アクリル「エクスラン」を中心とする企画提案に取り組んでいる。マイクロタイプ「極衣」や「プレリール」、かさ高「バルキーナ」、アクリレート「エクス」などを打ち出し、特に海外市場での拡販を計画する。

 全般市況については、暖冬などの影響で機能インナーの売れ行きが鈍化しているため、「今後も今のような状況が続く」と見通している。

 20秋冬に向けては極衣、プレリール、バルキーナ、エクスなどでテキスタイル展開に力を入れるとともに、保温性が特徴の「エアリーコット」、吸湿発熱レーヨン「セルフホット」を糸売りで打ち出す。

 経編み用にビームで供給する「サイプス」の販売が好調を維持しており、ニットシャツや婦人ボトム狙いの開発・販促に重点化し、インナー以外へも販路を広げる。

 この間、同社は中国市場へのアプローチに力を入れてきた。インターテキスタイル上海などへの継続出展でユーザー開拓を進めるとともに、現地協力工場への技術指導などを強化してきた。

 暖か肌着系のアイテムなどで取り組むユーザーとの商談が最終段階を迎えており、20秋冬から肌着向け丸編みの販売をスタートさせたいと考えている。中国では、さまざまなテキスタイルを作れる体制が出来上がりつつあり、日本への持ち帰りで20秋冬から中国生産する丸編みによるビジネスが滑り出す。

 一方、インナー・肌着のユーザーからエコ素材を求める声が強まっていると言う。このため、オーガニックコットンで新たに開発した清涼「爽快コット―O」、pHコントロール・消臭「デオドラン―O」を21春夏から投入する。