東レ・オペロンテックス/新たに3新素材/再生原料使いもラインアップ

2019年11月15日 (金曜日)

 東レ・オペロンテックスは、スパンデックス「ライクラ」のバリエーションを広げる三つの新素材を導入する。本格販売を目指して商品開発、顧客開拓に力を入れる。ライクラ全体に占める髙機能糸の比率は現状で50%前後。2020年度(21年3月期)からの次期中計スタートとともに3素材の販売を立ち上げることで、この比率を「さらに引き上げたい」(寺嶋伸一社長)と言う。

 ザ・ライクラ・カンパニーが開発した新素材で「ライクラ・フィットセンス」「ライクラ・マイフィット」「ライクラ・エコメイド」の3タイプを、先に行われたインターテキスタイル上海アパレルファブリックスでまずアピールした。

 フィットセンスは、スクリーンプリント機を使いベースのストレッチファブリックに水溶性樹脂と混ぜたライクラ原料をドット状に付着させた素材。プリントしていない部分よりも伸びが抑制されるため、着用時によりしっかりとした締め付け感が得られる。既存のスクリーンプリント機を使えるほか、取り扱いが容易で環境にも配慮した水溶性樹脂を採用したところがポイント。

 中国のアパレルがパンツ系のアイテムに既に採用し、ネット経由の販売を19春夏にスタートさせている。東レ・オペロンテックスは、スポーツ・フィットネスウエア向けの樹脂での販売を20秋冬で始める。

 マイフィットは「着用したときの伸び縮みの範囲が広い」のが特徴。Sサイズでは小さく、Mサイズでは大きい人でも、マイフィットで商品化した場合、Sサイズのウエアがフィットするようになるという。ネット通販などで購入したウエアのサイズが合わないといった問題を解決できる服作りにも貢献できる。

 エコメイドファイバーは生産工場で発生するB格品を原料に戻し再利用する再生タイプのライクラ。再生原料の占める比率は20%。「いつでも滋賀事業場で生産できる体制にある」ものの、当面は輸入糸の提案・販売でユーザーニーズを探る。