三菱ケミカル 溶融繊維グループ/春夏ラグにポリエチレン投入/「キラビス」をホームユースに

2019年10月30日 (水曜日)

 三菱ケミカルの溶融繊維グループは、付加価値素材による商品開発、企画提案を重視している。2019年度下半期はナイロン「キラビス」やポリエチレン(商標未定)、防虫繊維「クリーンライフネオ」での取り組みを強化し拡販を目指す。

 同グループは、ポリプロピレン長繊維「パイレン」を主にカーペット向けに展開している。上半期はコントラクトやホームユースカーペット向けの苦戦をカーマットや資材向けの販売でカバーし切れず、パイレントータルの販売量は前年実績を下回った。

 同社は17年秋に本格販売を開始したキラビスで新規販路開拓に取り組んできた。1380デシテックス(T)/48フィラメント(F)を中心銘柄に据え、60色を在庫で構えるきめ細かな販促を徹底。コントラクト用途を中心とする物件対応を強化してきた結果、「販売量がじわじわと伸びてきた」(安田雄彦マネジャー)と言う。

 このほど、よりソフトなタッチを表現できるという新銘柄(1380T/240F)をラインアップ。高級家具店経由の販売を目指し、ホームユースカーペットの開拓にも乗り出している。

 19春夏から冷感マットのような寝具向けの販売を先行させたポリエチレンをカーペット向けにも導入。接触冷感が特徴のポリエチレンと吸湿性のあるキラビスとの複合糸を20春夏から投入し、家庭用ラグなどの用途を掘り起こす。

 クリーンライフネオでは、トリコットによるテキスタイル販売を11月に立ち上げる。害虫の忌避率90%以上という防虫性能が特徴。20回洗濯後も90%以上を維持するという。

 防虫ネットのような農業資材、ペット用資材用途へのアプローチを進めているほか、アウトドアやキャンプ用品を扱うアパレルに対する企画提案にも力を入れている。