日本エクスラン工業/中国大手とフリース共同開発/ネルシャツ向け織物も

2019年10月28日 (月曜日)

 日本エクスラン工業はアクリル「エクスラン」でフリースやネルシャツ向け織物といった衣料素材の開発を強化している。中国の大手ユーザーとの共同開発を進めており、2019年度下半期(19年10月~20年3月)に実際の販売を立ち上げたいと言う。

 アクリルの需要は世界的に低迷している。同社によると2019年度上半期は、後半に商戦が失速したため、エクスランの販売量は前年を下回った。下半期も10~12月期は厳しいとみているものの、「来年1~3月期で挽回できる」と見通している。

 この間、価格の安いポリエステルに浸食されたアイテムでの巻き返しを狙い、フリースなどをターゲットとする商品開発、企画提案に取り組んできた。

 19年度は、セーターやマフラー向けのバルキー性に優れた「エアフロート」などの販売が堅調としており、現在は20秋冬スタートを目標にフリース狙いの取り組みに力を入れている。

 中国の大手コンバーター2社と共同開発を進めている。ポリエステルフリースを欧米向けに大量に販売してきた先方にとって、アクリルのフリースは新鮮に映ると言う。日本エクスラン工業は、「何とか来年1~3月期に最初の売り上げを計上したい」との意欲を示す。

 マイクロアクリル「極衣」「プレリール」では、アウトドアやカジュアルをターゲットにネルシャツ向け織物の提案に取り組み、「インターテキスタイル上海アパレルファブリックス」で中国ユーザーが自社のブースに出展した極衣やプレリールの織物は好評だった。

 一方、アクリレート繊維の販売は順調に推移。寝装寝具向けに吸湿発熱、吸放湿、消臭それぞれの機能性を特徴とする素材群の拡販に力を入れており、19年度は20~30%の増販を達成できるとみている。