「パンテキスタイルフェア大阪2019」前/出展企業ピックアップ/(10月30、31日、大阪OMMビル2階C&D展示ホール)

2019年10月24日 (木曜日)

 台湾企業の素材見本市「パンテキスタイルフェア大阪2019」(主催=紡拓会)が10月30、31日、大阪OMMビル(大阪市中央区)で開かれる。有力出展者を紹介する。

〈メガスポーツ向けニット生地/順元紡織〉

 ニット生地を中心に布帛とトリコット生地を手掛ける。トリコットは台湾・台中の自社工場、ニットと布帛製生地は協力工場で生産。開発力とQRが強みで、欧米のメガスポーツブランドを主要顧客とする。

 今回展では、ペットボトル由来のリサイクルポリエステルや、廃棄漁網を使ったリサイクルナイロンのニット製生地を提案し、スポーツブランドや商社の開拓を目指す。

 顧客の国籍別売り上げ比率は、米国7割、欧州1割、日本1割、その他1割。アイテム別比率はニット8割、布帛1割、トリコット1割。欧米顧客の要請に応え、ここ数年、サステイナブル(持続可能な)素材を充実させている。タイのパートナー企業と、超臨界二酸化炭素流体染色を使った生地の開発にも取り組んでいる。

〈天然調シャンブレー生地/呈紡〉

 日本向けを中心に手掛ける布帛、ニット製のシャツ地とパンツ地のコンバーター。これまでは商社経由の商売が多かったが、近年展示会に出展し、ブランドとの直接取引を増やしている。

 出展の目玉は、ザ・ライクラ・カンパニーの「クールマックス」とポリエステルを交織した生地=春夏向け薄地パンツ地で、吸水、涼感、速乾などの機能を持つ▽ナイロン、ポリエステル、綿、レーヨン、麻混のシャンブレー生地=価格競争力のある無地染めの天然調素材。

 日本向けはメンズ顧客が増えている。従来はレディース向けが多かったが、今年は割合が半々になった。引き合いが多い生地は、クールマックス使いと、リサイクルポリエステルを使ったサステイナブル素材。

〈天然由来の安全な抗菌/立益紡織〉

 シナモン由来の安心・安全の抗菌加工技術「グリーンディフェンス」を展開する。

 欧州では近年、発がん性が懸念される化学物質を使った抗菌製品への規制が強まっている。こうした中、シナモンから抽出した微細な粉末状の抗菌成分を、ポリエステル、ナイロンチップと融合することで抗菌を実現するグリーンディフェンスへの注目度が高まっている。

 日本では検査機関、ボーケンの抗菌性試験に合格したのを機に、2017年から市場開拓に乗り出し、ホームテキスタイルやインナーブランドとの取り組みを拡大してきた。このほど、カジュアルブランドへの採用も決まった。

 グリーンディフェンスは、これまで長繊維向けのみだったが、不織布向けも今後展開していく。

〈中国での豊富な生産背景/非司比〉

 中国大陸と台湾に豊富な生産背景を持つ布帛、ニット製生地のコンバーター。多彩な協力工場を生かし、顧客のさまざまなニーズに応えられるのが強み。

 今回は、メンズカジュアル向け布帛製生地=透湿防水ラミネート加工素材▽スポーツ向けニット製生地――を出展する。

 欧州向けを中心に手掛けていたが、3年前から日本向けの開拓を強化している。顧客の国籍別売り上げ比率は、欧州7割、日本3割。日本向は商社を通じ、ボリュームゾーンのセレクトブランドなどに布帛製生地をメインに販売している。

 中国大陸の協力工場は山東、浙江、四川、広東の各省にあり、フォーマルからファッション、ユニフォーム向けまで、さまざまな生地を生産している。