三菱ケミカル/中国最大の電子モールと提携/まずは4社・7ブランドで

2019年10月01日 (火曜日)

 三菱ケミカルのアクリル短繊維「ボンネル」は、9月25~27日に上海市内で開かれた「インターテキスタイル上海アパレルファブリックス2019秋」と併催のニット展「PHバリュー」に出展し、「ミヤビ」や「コアブリッド」を中心に差別化アクリルを展示した。今回は長く継続している伊藤忠繊維貿易〈中国〉との共同ブースに加え、上海絲誠実業のブースではアリババグループの天猫(Tモール)との共同開発素材「セルウォーム」を披露した。

 三菱ケミカルは成長する中国ネット通販市場での拡大に向け、中国最大の電子モールである天猫と今夏、提携した。三菱ケミカルの素材を使った商品の拡大を協力して目指すもので、天猫が合繊メーカーと組むのは初。ミヤビやコアブリッドなどで開発した素材ブランド、セルウォームを各アパレル製品に採用して天猫で販売していく。

 まずは天猫が選んだ4社・7ブランドがセルウォームを使った商品を販売する。高級婦人下着のマニフォーム、保温肌着大手の猫人、ネット通販専門で急成長するバナナインのほか、カジュアルを中心にベストセラーグループ(デンマーク)の「オンリー」など4ブランドが展開する。来年はメンズ、キッズ、スポーツのブランドにも広がる見通しだと言う。

 初年度となる今秋冬は特にコアブリッドによる静電気防止機能を訴求する。中国では既に、極細アクリルのミヤビで風合い、「コアブリッド サーモキャッチ」で発熱・蓄熱を訴求する商品が展開されている中で新たな機能を打ち出す形になる。

 PHバリューでセルウォームを披露した上海絲誠実業は山東省に染工場、縫製工場を持つメーカーで、今回の提携では生産を担当する。

 アクリルの機能インナーの市場規模は日本で1億枚を超えるが、綿志向が強い中国ではまだ1千万枚未満とみられ、大きな拡大の可能性がある。