伊藤忠システック/低浴比液流染色機導入相次ぐ/年間100台の販売めざす

2019年09月04日 (水曜日)

 伊藤忠システックが輸入販売する韓国・ドンアダイイングマシナリーの低浴比タイプ液流染色機「iスマート」が注目されている。国内の有力染工場が相次いで導入しており、引き合いも旺盛。節水や省エネルギー、薬剤使用量削減につながる性能への評価が高い。伊藤忠システックでは年間100台の販売を目標に国内の染工場に対して積極的に提案する。

 ドンア社は韓国の染色機製造大手で、iスマートは同社の最新型液流染色機。染色槽内で生地を高速回転させながら独自のノズル機構で生地に染液を噴射することで染色するため浴比(染める布地に対する染料液の重量比)は染色なら1対3~4、精練加工でも1対7~8を可能にした。生地を回転させるリールを槽内の低位置に配置して生地へのテンションを抑えるなどの工夫も凝らされている。こうした機構によって、加工時の大幅な節水や省エネルギー、薬剤使用量の削減を可能にする。

 国内の染工場でも導入が相次ぐ。高圧タイプは尾州産地や京都の染工場が既に導入したほか、常圧タイプもタオル向けで今治産地の染工場が複数台を導入した。そのほかにも多数の商談が進んでいる。

 国内の染工場では設備の老朽化で更新需要が高まっている。加えて近年は世界的にサステイナビリティー(持続可能性)への関心が高まったことで取引先から染色工程での水使用量削減や省エネルギーにつながる設備での加工を求められるケースが増えている。こうした動きを背景に伊藤忠システックが提案するドンア社の低浴比タイプ液流染色機が注目された。

 伊藤忠システックは引き続き国内の染工場に対して積極的な提案を進める。導入済みの染工場でオープンハウスの実施も検討する。将来的には日本向けに機械のカスタマイズなどにも対応することを視野に入れる。