三菱ケミカル/カーペット用糸に厚み/ポリエチレン紡糸開始
2019年08月28日 (水曜日)
三菱ケミカルは、カーペット用ポリエチレン長繊維の紡糸を始めた。ポリプロピレン(PP)長繊維「パイレン」、BCFナイロン(ナイロン6)「キラビス」に続くカーペット用糸で、市場ニーズを取り込む。家庭用途に主に提案し、20春夏向けでの採用を目指す。
ポリエチレンは、愛知事業所(愛知県豊橋市)にある産業資材用PP紡糸機を活用して生産する。2018年から寝装、衣料用途でポリエチレンの紡糸を始めており、カーペット用途にも広げる。
ポリエチレンはマルチフィラメントの白糸。繊度は440デシテックス(T)を基本にするが、カーペット用は660T。BCFナイロン長繊維のキラビスと交撚して供給する。熱伝導性のあるポリエチレンと吸湿性のあるナイロンを組み合わせることで、高機能の冷感カーペットを可能にする。さらに耐久性向上や色対応へもつなげる。
同社は、17年からキラビスの生産も行う。購入したナイロン6チップを使い、愛知事業所で既存のPP紡糸機を活用して生産する。繊度は1380Tで原着糸60色を在庫するほか、在庫以外のカラーと繊度(1100~3千T)にも柔軟に対応するバイオーダーを受けている。コントラクト用途が中心だが、ホームユースの糸開発も進める。
高機能成形材料部門繊維本部繊維素材事業部溶融繊維グループの安田雄彦マネジャーは「糸のバージョンを増やして拡販していく」考えを示す。