三菱ケミカルホールディングス/繊維事業の新たな在り方模索/10年後見据え変化を

2019年08月09日 (金曜日)

 三菱ケミカルホールディングスは、繊維事業の新しい在り方を模索する。事業を取り巻く環境が変化する中で、これまでのやり方では広がりが期待できないとみる。越智仁社長は、8日に東京都内で開いたメディアとの懇談の場で「(繊維は)大きく変わる必要がある」との考えを示した。

 米中貿易摩擦の激化などから、世界の経済は厳しさを増しているが、「10年後の方が今よりも厳しくなっていると思う。目先の対応よりも、基盤を固めることの方が重要」と強調。そのためにも厳しい状況を想定している2030年近傍に向けて、着々と準備を進めると話した。

 繊維事業は新たな形を求める。例えば「工業製品には、衣料とは違う繊維の使い方がある」とし、「繊維のどのような技術がどのような分野で使えるのかを検討」する。これまでは繊維の技術のプラットフォームは繊維事業の中にとどまっていたが、他の事業でも活用できるような体制の構築を進める。

 10年後を見据えた取り組みは、繊維だけでなく、全社で推進する。ポートフォリオ改革を含めて、多様なモノやコトに目を向け、2021年度(22年3月期)からの次期中期経営計画に盛り込む。