ユニコ/JALの新制服 受注/大型案件獲得で飛躍

2019年07月29日 (月曜日)

 伊藤忠商事100%子会社でユニフォームの企画・製造・販売を手掛けるユニコ(東京都中央区)は、日本航空(JAL)が2020年4月から使用する新制服を受注した。2年前に伊藤忠から営業機能を移管して以来、初めて単独でプレゼンを勝ち抜き、大型案件を獲得。一般企業に向けた大きなアピールにもなり、今後のOEM/ODMの拡大に弾みをつけた。

 デザインが採用されたのは、客室乗務員と地上接客部門の制服、運航乗務員用のスカーフ柄、沖縄地区で夏季に着用される「かりゆしウェア」。

 デザイナーには、「世界中の女性に愛される服を作れる」と江角泰俊氏を起用。JALが掲げるコンセプト「革新」のイメージを追求し、議論を交わしながらデザインの完成を目指した。

 結果、従来にはないデザインの航空会社の制服が出来上がった。

 客室乗務員が着用する流線型のシルエットのワンピースには、バルーンスリーブを取り入れた。業務の動きにも配慮して設計している。

 女性の多様な働き方を意識し、パンツスタイルも導入した。ワンピースと並んでも上半身は同じイメージに見えるようにデザインを工夫した。

 地上接客部門の制服は、鶴をイメージした曲線的な形状で上品さを表現。美しい所作を維持できるパターンメーキングは、有名パタンナーの新山昭子氏が手掛けた。新たに導入したワンピーススタイルも動きやすさを追求した。

 SDGs(持続可能な開発目標)にも対応するため、素材はペットボトル由来の再生ポリエステルを使用したウール・ポリエステル。

 1次プレゼンから最終プレゼンまでの約3カ月間、度重なるサンプル修正にも迅速に対応し、クライアントの信頼を獲得した。

 試行錯誤の末に手にした実績とノウハウは、今後の企業成長の糧となる。開発チームの中心を担った、営業第1部の清田友吾さんは、「企画提案力をアピールし、一般企業の別注やOEMを広げたい」と意欲を見せる。