ITMA2019/福原産業貿易/「ウーブンルック」で用途拡大/1350SFの高生産性実現
2019年06月28日 (金曜日)
【バルセロナ=星野公清】福原産業貿易は新型フレームを採用した新型丸編み機「OD7―M2XC―A3 2RE」を、スペイン・バルセロナで26日まで開かれた国際繊維機械見本市「ITMA2019」で披露した。高生産性、省エネルギーなどの特徴を持つ新機種(開反巻き取りのシングルニットレースウェイ機)で、従来機の900~1100SF(スピードファクター)に対し、同機は1350SFと約20%の生産性向上を実現している。会場ではスパンデックス使いでの安定生産を実演した。
同機に採用した新型フレーム「ODフレーム」は従来よりも低く角のない設計にするなど作業者の操作性や安全性を考慮した形状とした。内部の摺動装置も改良し、負荷を低減して長寿命化を実現。シリンダーにも摩擦熱を軽減する工夫を凝らし、針には「Eニードル」を採用するなど従来機比約20%の省エネ化を実現している。オプションで冷却効果や清掃可能なエアフロ―システムも用意する。
今回のITMAでは「ウーブンルック」をテーマに、織物のような外観を持つニットが生産できる機械の訴求に力を入れた。特にマットレス用の機種を充実させた。マットレス用は元々需要があった欧州に加え、近年は中国でも伸びており、足元では資材向けが丸編み機販売全体の30~40%に高まっている。
ウーブンルックの機械は資材用に開発したが、近年は衣料にも広がっている。例えば28ゲージ・インレイなしでスパンデックスを使って伸縮性を持たせた生地がスポーツで出てくるなど「今後さらに広がる可能性がある」(植村聡社長)とみている。ITMA会場では40ゲージで液体アンモニア加工を施したスーツ地・ドレスシャツ地なども披露し、高い注目を浴びていた。
〈エプソン/IJデジタル捺染機の新機種披露〉
【バルセロナ=角秋雄】エプソンヨーロッパはインクジェットデジタル捺染機の新機種「Monna Lisa(モナリザ)Evo Tre 64」「モナリザEvo Tre 8」を披露した。
プリントヘッド数が64のモナリザEvo Tre 64は高品質、高生産性、高精度、柔軟性を誇り、競争が厳しい市場のニーズに対応できる機種。最高印刷速度は毎時779平方メートル(600×600dpi、2パース)で、最大印刷解像度が1200dpiとなっている。エプソンによると、種類の違った素材に単純なデザインから複雑なデザインまでロットの規模に関係なく通常捺染している会社にとって最適な機種と言う。
プリントヘッド数が8のモナリザEvo Tre 8は導入コストを抑えることができる入門機。最高印刷速度は毎時265平方メートルで高品質なサンプルなどをプリントできる。プリントヘッド数を16に増やすことも可能。
新機種に加えて、最大16色数が可能な「モナリザEvo Tre 32」や「モナリザEvo Tre 16」も展示した。
エプソンはITMA会期中、4台以上のIJデジタル捺染機を販売した。