ITMA2019/イテマ/次世代コンセプト機発表/複数のレピアヘッドを一方向に

2019年06月26日 (水曜日)

 【バルセロナ=星野公清】イテマは、次世代のコンセプト機としてフライングシャトル織機「ディスカバリー」を、スペイン・バルセロナで26日まで開かれている国際繊維機械見本市「ITMA2019」で披露した。レピア織機の汎用性とプロジェクタイル織機の信頼性を融合する形で開発したと言う。

 ディスカバリーは新しい緯糸挿入方式を採用している。複数のレピアヘッドを持ち、それを一方向に飛ばして製織する。緯入れ4色に対応する。織機のメカニカルなパーツを極力排除してサーボモーターに置き換えるなど、エアジェット織機のようにメンテナンスが簡単で扱いやすい機種を目指して開発した。

 ITMAバルセロナを皮切りに今後マーケティングを進めていく。会期初日はデニム製織を1分間400回転で実演したが、今後は500~600回転を目指しており、価格はレピア織機よりも少し高い程度になる見込みだと話す。

 レピア織機は「R9500」の改良型「R9500―2」を発表した。従来機より10%の省電力化を実現したほか、システムのアップグレードで処理能力を向上するなどの性能アップを図った。身長の低い人を考慮してカバーの位置を60センチ低くするなど扱いやすさの面でも改善を図っている。

 エアジェット織機では、グループ企業ラミフレックス社製のカーボン×アルミの綜絖(そうこう)枠を採用してパフォーマンスを向上させるなどの改良を行った「A9500―2」を発表した。

 イテマテックは「パンター」ブランドの産業資材用織機2機種を展示した。片側レピア「ユニラップ」、5トンの筬(おさ)打ちを実現した積極レピア「ヘラクレス」で、今後、イテマウィービングジャパンを総代理店として、日本でも積極的に提案していく。

〈スイスのサウラー/エアジェット紡績機械 披露〉

 【バルセロナ=角秋雄】スイスに本社を置く繊維機械メーカーのサウラーは、新しいエアジェット紡績機械「オートエアロ」を披露し、会場で話題になっている。オートエアロは、オープンエンド紡績機械「オートコロ」をベースにした機械で、1年半という短い開発期間を経て今年、市場に出された。

 オートコロの関係者をはじめ、同グループ内のリング紡績機械メーカーのチンサー、部品メーカーのテックスパーツなどの関係者を集め、専門家も招き入れて開発を進めた。オートエアロは、約70%の部品がオートコロと共通となっている。特徴は高生産性をはじめ高い糸の品質、柔軟性、省スペースなど。ITMAでは1台の機械の片側をオートエアロに、反対側をオートコロにして展示実演している。

 サウラーの関係者によると、オートエアロが注目されるあまり、オートコロを見にくる人が少なくなった。オートエアロは現在、トルコのウカク・テクスティルが導入して稼働させている。

 ITMAでは、インドのラクシュミ・マシン・ワークスもエアジェット紡績機械を初めて展示実演している。