経産省が工程表策定/海洋生分解性プラの開発支援/需要開拓や量産化で

2019年05月09日 (木曜日)

 海を汚染するプラスチック問題を解決するため、経済産業省は7日、海で分解されるプラスチックの開発、普及に向けた工程表を策定した。新素材の開発を支援し、夏までに国内企業との協力体制を構築、2020年代をめどに国際規格の策定を目指す。

 工程表では、国内企業の生分解性プラスチックの製造技術が優れているのに公的な団体規格がないため、市場の整備が遅れていることを課題に挙げた。

 まず夏までに産学官が連携する協力体制をつくる。この成果を基に、2020年代初めから分解機能の基準やプラスチックの規格を国際標準化機構(ISO)に提案する。

 第1段階として三菱ケミカルの「BioPBS」や、カネカの「PHBH」といった生分解性プラスチックの需要の開拓や量産化を目指す。同時にレジ袋やストロー、農業用資材などへの活用を促す。

 第2段階では複合素材の技術開発を進め、マスクなどの不織布への導入を目指す。最終段階として革新的な素材の創出を計画する。

 海洋プラスチック問題では、6月に大阪市で開かれる20カ国・地域首脳会合(G20)までに政府が行動計画をまとめる。