伊藤忠/臨時株総請求の可能性を示唆/デサント問題で

2019年03月01日 (金曜日)

 伊藤忠商事は2月28日、デサントに対する株式公開買い付け(TOB)について、TOB期間中のデサントとの話し合いを打ち切った上でTOB終了後にデサント経営陣と改めて対話する方針に切り替えたと発表した。また、「定時株主総会までの期間に対象者の企業価値が低下する可能性が高いと判断した場合には臨時株主総会の招集を請求することを検討する可能性がある」とした。

 伊藤忠は当初、TOB終了後にデサントとの協議を実施する考えだったが、デサントの要望に応じてこの間、話し合いに応じてきた。伊藤忠によると話し合いは4回にわたり、TOB後の経営体制について「一定の方向性が見いだせると期待していた」。しかし、話し合いの期間中にも報道機関へのインタビューなどで伊藤忠の行為を批判したり、TOBに反対する主旨の発言を繰り返したと指摘。「デサント側から提案されたTOB終了後の経営体制では持続的な企業価値の向上を目指した成長戦略やその実践の再構築は困難」とし、TOB期間中の話し合いによる認識の一致は難しいと判断した。これに伴い、公開買い付け者であるBSインベストメントが提出していた公開買付開始公告の内容を訂正した。