シキボウ/タイで高付加価値糸販売へ/メルテックスの設備増強

2019年02月06日 (水曜日)

 シキボウは、タイの日系企業や現地インナーアパレル向けに高付加価値糸の販売を始める。インドネシア工場のメルテックスやベトナムの協力工場で生産した高付加価値糸を、タイのグループ商社、J.P.ボスコを通じて供給する。加藤守上席執行役員繊維部門長は、「タイ、ベトナム、インドネシアの3拠点の連携を強め、海外での糸売りを増やす」方針を改めて示した。

 メルテックスで製造する、高強度や見た目の美しさを特徴とする精紡交撚糸「デュアルアクション」をタイで提案し、「好感触を得ており、バルク(本生産)を待つのみになっている」と言う。ゆくゆくはベトナムで生産する高品質の綿100%糸やアクリル混糸などのタイでの販売も視野に入れる。

 メルテックスでは、これまで日本市場向けユニフォーム生地用の汎用糸(綿・ポリエステル混)を生産してきたが、今期から海外市場への高付加価値糸の輸出拡大を狙って、ダブルツイスターなどの設備増設を続けてきた。タイでの売れ行きが順調に拡大すれば、さらに高付加価値糸の生産能力を増強する。

 メルテックスで生産してきた汎用糸に関してはベトナムの協力工場から調達する。ベトナムではインドネシアに先んじて、汎用糸に加え、超長綿を使った細番手糸や強撚糸などさまざまな高級糸の生産が可能になっているが、メルテックスも、高付加価値糸の生産拠点として投資を続ける。