三菱ケミカル テキスタイル営業グループ/「ソアロン」で機能領域開拓/海外ニット生産も

2018年12月21日 (金曜日)

 三菱ケミカルのテキスタイル営業グループは、機能素材によるユニフォーム用途、スポーツ用途へのアプローチを強化している。ポリエステルで海外生産する仕組み作りにかねて取り組んでおり、今後はトリアセテート「ソアロン」でも海外生産する体制を拡充し、インナー・肌着を含む機能素材領域で新しい商流開拓を目指す。

 同グループはポリエステルを主力にユニフォーム、スポーツ、インナー3用途向けの素材販売と取り組んでいる。

 常圧カチオン可染ポリエステル「AHY」や複合繊維「ベントクール」を主力にスポーツ向けの販売量を一定のボリュームに育成してきた。

 海外協力工場で生産したベントクールニットを国内外のスポーツ、インナーの顧客へ供給するオペレーションは、10年ほど前に着手して既に軌道に乗せている。今後はこの仕組みをソアロンにも導入し、ソアロンによる機能素材領域へのアプローチを加速する。

 ソアロンの特徴である「耐久性に富んだ吸汗速乾性、接触冷感を生かせる」(宇野啓一テキスタイル営業グループマネジャー)とみており、ファッション素材に多くを依存するソアロンの用途をユニフォームやスポーツ、インナーへも広げたとの考えを示す。

 11月中旬に東京で開催した機能素材展に、制菌・抗菌性能を持たせた「清結」を出展した。19秋冬からユニフォーム、20春夏からスポーツ、インナーをターゲットに織物、ニットの販売を開始する。

 19春夏からゴルフシャツ向けの販売を先行させた「トライラテ」は現在、ユニフォームやインナー用途をへ広げるための販促と取り組んでいる。トライラテはソアロンの戦略素材で、ファッション性と機能性(透け防止・UVカット・遮熱性能)を融合させている。

 機能素材展では、AHYによる各種商材をユニフォーム向けに提案したところ、レースで商品化した作務衣仕立てのニット製品が注目されたと言う。既に採用素材としてピックアップされており、ユーザーは柄の選定を進めている。