伊藤忠 ブランドマーケティング第二部門/デジタル投資で成長戦略/既存事業も磨きながら

2018年12月20日 (木曜日)

 伊藤忠商事繊維カンパニーのブランドマーケティング第二部門は、新規ブランドの導入、衛材関連ビジネスの伸長、自動車内装材の中国での拡大などに取り組むとともに、全社方針に掲げる「ビジネスの次世代化」の一環として、デジタル関連を軸に多方面で投資や提携を進める。

 福嶋義弘執行役員ブランドマーケティング第二部門長は、「引き続きブランドの新規導入を進めながら既存事業を磨くとともに、次世代ビジネスの構築を狙う」と今後の戦略を説明する。ブランドは上半期(2018年4~9月)中に、カナダのアウターウエアブランド「ムースナックルズ」や英国発祥のライフスタイルブランド「ローラアシュレイ」などを新規導入、今後も良質なブランドを導入し、ブランド事業の底上げを狙う。

 既存ブランドでは「フィラ」が好調。直近3カ月(8~10月)は売り上げが前年同期比40%増と伸びた。ブランディング投資や販路の適正化が奏功したと言う。

 自動車内装材事業では中国やASEANへの拡販を計画。現地パートナーと連携して主に「防音」に優れる商材の開発、提案に力を入れていく。

 ビジネスの次世代化で成長戦略を描く。その一つが、米国フュージョン社への投資。同社は50件以上の特許も持つ企業で、例えばスマートフォンで撮影した画像をつなぎ合わせることでサイト上では自動的に立体画像に仕上がるという技術を持つ。同種のソフトは市場に出回っているが、同社のそれはデータ容量が圧倒的に小さいことが特徴。「(同ソフトの活用で)サイトの滞在時間を伸ばし、販売増につなげる」ことが主な目的になる。引き合いが既に多数寄せられており、アパレル分野や自動車分野などで導入を進めていく。

 中国ではAI(人工知能)に強い企業と提携して合弁会社の設立を予定する。