伊藤忠 ファッションアパレル部門/サステイナブルを訴求/独自素材と新技術提案

2018年11月09日 (金曜日)

 伊藤忠商事のファッションアパレル部門は19秋冬に向けて素材と製品を連動させ、「次世代」をテーマにしたオリジナルウール、サステイナブル(持続可能な)素材や製品、新技術を提案する。

 キャラクターウールでは豪州ハミルトン地区の「ハミルトン ラムズウール」を訴求。17・5マイクロメートルのスーパーファインウールは独特のヌメリ感、ソフト、膨らみが特徴。5年目のロングセラーで、セレクトショップに製品納入する、原料から紡績、織り・編み、染色、縫製まで一貫管理し、トレーサビリティーが可能。ニットやコートで展開する。

 「フォークランドウール」「メリノオプティモ」はともに動物愛護のノンミュールジング羊毛。「サステイナブルは欧米が先行するが、この流れが逆行することはなく、標準になっていく」(伊藤忠商事)とみる。ウールの防縮加工でも非塩素系加工を提案するなど生産工程でも地球環境保全を訴求する。

 ウールの欠点を改善し、インナーやスポーツに用途を広げたのが「アクティブウール」。「タスマニアンメリノ」とメリノオプティモを使用し、ウールの欠点だったチクチク感を低減した。

 「アップサイクルダウン」は19秋冬からスタートする。寝具製造業の富士新幸(山梨県都留市)が不要になった羽毛布団を回収し、洗浄・乾燥し、再生羽毛にする。伊藤忠商事がアパレル向け使用の販売代理店となって、製品供給する。

 ポリエステルを改質し、コットンのような吸水性を持つのが「SPCP」。中国から独占輸入する。コットンのような風合いで、ポリエステルとコットンの良さを併せ持つ新商品。このほかケミカルリサイクルポリエステルなども提案する。

 新技術では靴下を360度回転させてプリントする「ギンガ」を打ち出す。通常の4分1の時間でプリントでき、多色対応も可能。伊藤忠モードパルは、国内縫製工場約200社の特徴をデータベース化し、顧客の依頼、受注の詳細を入力すると最適工場候補を自動抽出できる次世代型の工場情報管理システムを構築。下げ札にスマートフォンをかざすと、直接広告動画を見ることができる「つながるAR下げ札」は、技術を開発したGMBと独占契約して運用する。これらは9日まで、伊藤忠商事(東京都港区)1階ホールの「秋冬展示会」で紹介している。