「ITMAアジア+CITME2018」/連携で総合的な提案/異業種を巻き込んだ展示も
2018年10月18日 (木曜日)
19日まで中国・上海で開かれている繊維機械展「今回のITMAアジア+CITME2018」では異業種の企業とともに出展し、自社が展開する繊維機械だけではできない幅広い提案を行うケースも見られる。訪問客にとって、より見どころの多いブースにするほか、総合的な提案で高度化していく顧客の悩みを解決していく狙いがある。
島精機製作所はホールガーメント横編み機や3Dデザインシステム「SDS―ONE APEX3」、IoT技術で生産性を高める「シマ・ニットPLM」などを紹介し、ロスをなくした効率的なサプライチェーン実現に向けたトータルデザインシステムを提案した。
この一環として「SDS―ONE APEX3」では、糸をスキャンしてデータ化し、サンプルを制作しなくてもすぐに最終製品のイメージを映像化できる「デジタルヤーンプロジェクト」を提唱している。ブースではシステムを紹介するだけでなく、多くの糸メーカーが共同出展して特徴的な糸を紹介した。意匠糸や機能糸など多彩な糸が一堂にそろい、日本からは東洋紡STC、東洋紡糸、堀田丸正、澤田などが出展したほか、香港のUPWや伊のTollegnoなども参加している。
日阪製作所とセーレン電子は隣り合ってブースを構えたが、接する面には通路を設けて自由に行き来できるようにしている。日阪製作所のブース内にはクラボウ、日華化学、山東鉄工所がパネル展示を行い、染色仕上げ機器だけでなく、染料・助剤から調色、仕上げ加工まで幅広い提案ができる形とした。このような形での出展は初めてで、セーレン電子の山田英幸社長は「染色に関連する企業が集まることでよりインパクトのある展示となった」と言う。
日阪製作所は顧客からの要望がますます高度化する中で、染色機だけでなく前処理から染料・助剤、仕上げ加工など各社の強みを結集して対応していくことが重要との考えを示し、「今回は最初のとっかかり。染色に関わる企業と協業しながら顧客が抱える課題を解決していく取り組みを今後さらに進めていきたい」(日坂〈中国〉機械科技の仲西英治総経理)と話している。
〈ピカノール/新型レピア織機「GTマックス―i3・0」を披露〉
ベルギー織機メーカーのピカノールは、「ITMAアジア+CITME2018」で、新型レピア織機「GTマックス―i3・0」を世界に向けて初めて披露した。
「GTマックス―i3・0」は、中国で生産する「GTマックス」「GTマックス―i」の次世代タイプ。設計を一新した緯糸挿入機構と同社の電装システム「ブルーボックス」を組み合わせることで一段の高生産性を得た。人間工学に基づくデザインがユーザーに優しい操作性を実現した。
ピカノールのブースでは2台を展示、筬(おさ)幅220センチのタイプがファンシーデニムを600回転、筬幅340センチタイプがゼブラ模様のカーテン地を340~400回転で製織を実演している。
旗艦レピア織機の「オプティマックス―i」は筬幅190センチタイプ2台を展示、ファンシーなシャツ地を750回転、アラミド繊維を600回転での製織を見せている。
エアジェット織機では、筬幅280センチの「オムニプラスサマム」がシーツ地を900回転で製織実演を行っている。