三菱ケミカル・繊維素材事業部/業績改善に手応え/中国輸出を伸ばす
2018年10月17日 (水曜日)
三菱ケミカルの繊維素材事業部は2018年度上半期(4~9月)の業績改善に手応えを示しており、下半期以降はマイクロアクリル「ミヤビ」で対中輸出を拡大するほか、トリアセテート100%使いの「TIS」の拡販、超極細アクリル短繊維「XAI(サイ)」による繊維資材開拓に取り組み、上半期の基調を維持する。
同事業部は18年度上半期、アクリル「ボンネル」の対中輸出の回復、トリアセテート「ソアロン」の対中輸出の好調などに支えられ、「業績を改善できる」(河﨑隆雄執行役員繊維素材事業部長)とみている。
ボンネルでは、ミヤビの中国向けが好調で、中国勢や海外勢に取って代わられていた商権で三菱ケミカルの商材に回帰する機運が見られる。
ソアロンでは、中国富裕層のゾーンでの需要増に伴い、上半期は10%以上の販売増になる見通し。昨年くらいから輸出市場での販促を改めて強化してきたTISの荷動きも活発化している。
下半期もこれらの勢いを維持できるとみており、アクリルではミヤビや制電性が特徴の「コアブリッド」、両素材の複合企画を重点的にプロモートする。
ソアロンで森林認証を取得しており、サステイナブル(持続可能な)素材として国内外に売り込むとともに、TISを国内市場にも浸透させる。
アクリルでは、サイで繊維資材用途への参入を目指す。サイは0・1デシテックスの超極細わたで、優れた吸音性能に特徴がある。
既に、吸音材でのスペックインを目指した自動車メーカー、部品メーカーとの「さまざまな共同開発が始まっている」(河﨑執行役員)と話し、不織布メーカーへのわた売りで繊維資材向けの販売拡大を目指す。
上半期、カーペット向けの販売がもうひとつだったポリプロピレン長繊維「パイレン」では、昨年から導入したBCFナイロン「キラビス」やパイレンの新素材「クリーンライフNeo」でカーペット関連用途へのてこ入れに取り組む。