「インターテキスタイル上海18秋展」レビュー(3)/事業の進展に合わせ出展形態は変化

2018年10月04日 (木曜日)

 合繊メーカーでは東レ、旭化成、帝人フロンティア、東洋紡STCのほか、併設展の「PHバリュー」に三菱ケミカルが出展した。事業の現況に合わせて出展形態は変化し、近年は現地法人が単独ブースを構える形も定着。昨年から東レ、今年から旭化成が「ジャパン・パビリオン」(JP)を離れ、JPは帝人フロンティアのみとなっている。

 東レグループは南通に拠点を置く東麗酒伊織染〈南通〉、東麗合成繊維〈南通〉、東麗繊維研究所〈中国〉が3社共同ブースを設置し、研究開発から原糸、テキスタイル、縫製までの一貫型サプライチェーンを改めて訴求した。市場のニーズが高度化する中、3社連携による開発を加速していることが背景の一つで、ブースでは共同開発品を紹介するコーナーも設けた。

 旭化成はシルク企業がそろうエリアに出展した。キュプラ繊維「ベンベルグ」の認知度が高まる中、より実商売に近い展示にした印象。ブースではベンベルグのサステイナブル(持続可能な)素材としての特徴のほか、中国で取り組むコンバーターの商品を紹介した。深く取り組む中国企業は近くにブースを構えており、興味があればすぐに移動できる。

 帝人フロンティアは、「舒柔特」と中国で商標登録した「ソロテックス」を中心に紹介した。中国商標を初めて中国展で披露した形で、ブースには豊富な商品バリエーションを用意し、初日から訪問客でにぎわった。同展を重要な顧客と定期的に会う場と位置付ける南通帝人も継続出展し、多くの訪問客を集めた。

 東洋紡STCは2年ぶりの出展となった。昨年は併設の「ヤーン・エキスポ」に出展していたがが、同展が「ITMAアジア+CITME2018」(10月15~19日)との併催(同15~17日)になったことから復活した形。中国を重点市場に位置付ける中、インナーやカジュアル、スポーツなどの分野に向けて、機能素材の豊富なバリエーションを紹介した。

 三菱ケミカルは伊藤忠繊維貿易〈中国〉と共同でPHバリューに出展した。独自性の高い商品を重点的に販売していく方針の中、極細アクリル「ミヤビ」や芯鞘構造アクリル「コアブリッド」などを提案した。